pho@自習室

2014-03-30

Invention Analysis and Claiming:chapter 1

| 15:34

Part I 発明を特定する

Chaper 1から6まであるそうだ。

  • 発明のコンセプト
  • 実施例ベース vs 課題・解決アプローチ
  • 課題・解決アプローチの書き方
  • 請求項をできるだけ広く
  • 請求項を広すぎなくする
  • バックアッププラン

Chaper 1

発明というと発明品という具体的なものをイメージされがちだが、実際には抽象概念であって、特定の発明品に限定されるべきではないみたいなことがEmerson StringhamのDouble Patentingという本に書いてあるらしい。

Double patenting: Emerson Stringham: Amazon.com: Books

http://www.amazon.com/Double-patenting-Emerson-Stringham/dp/B00085WZLY/

では実際に発明を例にとって見てみましょうということでボールペンの特許が紹介されている。こうやって実際の特許を見てみるのは面白い。

Patent US392046 - op weym - Google Patents

http://www.google.com/patents/US392046

John Loudという人の1888年公開の発明。あまり使い物にならなかったらしく、実際に使われているのは1938年に考案されたものとのこと。

A pen comprising

a tube having a contracted mouth and adapted to hold ink,

a spheroidal marking point projecting from the mouth, and

an ink flow regulator that resiliently holds the marking point against the mouth.

これは著者が当時の明細書に基づいて作った架空のクレームらしい。このクレームで面白いのは、インクが入ってないところ。インクが入ってないボールペンもカバーされている。ちなみに現在のボールペンではink flow regulatorはなく、インク自体の粘性によって調整しているそうだ。

espacenetにボールペンの明細書が出ていたので見てみると、出願時の請求項1、2はこんな感じ。

  1. A pen having a spheroidal marking-point, substantially as described.
  2. A pen having a marking sphere capable of revolving in all directions, substantially as and for the purposes described.

未来の実施例を知らない状態で、それらをカバーするような請求項となっている。

課題から始めよ

その詳細というやつは、課題を解く上で本当に必須なのだろうかと考えることが大事。

課題:従来のペン(万年筆、羽根ペン)では木や皮のようなざらざらした表面では使えなかった。

解決:ボールのペン先

Technology marches on. New ways of doing things are invented every day.

だから余計なことは書くな。将来それなしで実現するなんてことは十分あり得るんだから。

chapter 1のレビュー

  • 発明のコンセプトをカバーしたクレームにすることはなぜ大切か。

請求項が発明のコンセプトをカバーしていなかったら、請求項を回避して実施することができてしまうから。

  • 実施に必要であろう制限をクレームに含めることの問題点は何か。

未来の実施例を予測することは難しく、それらの制限が将来的に不要になっている可能性があるため。

  • 抽象的な概念が請求項にふさわしくないという原則から、発明のコンセプトをどのように考えられるか。

http://en.wikipedia.org/wiki/Diamond_v._Diehr

http://en.wikipedia.org/wiki/State_Street_Bank_v._Signature_Financial_Group

この二つを参考に考えろとのこと。これから読んでみる。

Invention Analysis and Claiming:introduction

| 15:22

この本を買った。会社にあったけど第2版が出てたので。

Invention Analysis and Claiming

Invention Analysis and Claiming: A Patent Lawyer's Guide

発明とは何かということを考えるときに役立ちそうな気がする。主に米国のやり方をベースとしているけれども、発明という概念自体は米国も欧州もないわけで十分に使えると思う。

イントロによるとPart IからPart IVまであって、

  • 発明のコンセプト
  • 請求項を書いてみる
  • 明細書を書いた後に起こることを予測・対処する
  • 明細書のストーリー

という感じらしい。見たところひたすらにProblem-Solutionアプローチのようだ。それについて、Robert Goddardのロケットの発明を例として説明している。

Patent US1103503 - Rocket apparatus. - Google Patents

http://www.google.com/patents/US1103503

基本的なフォーマットは

The problem(s) of ~ is (are) solved by ~.

こういう課題をこういう手段で解決するというのが発明。

The problem of

enabling a rocket to carry a large amount of combustible material while keeping the weight of the rocket as low as possible

is solved by

successively feeding portions of the material to the rocket’s combustion chamber from a separate casing containing the supply of combustible material.

これを請求項にすると

A rocket apparatus having, in combination,

a combustion chamber,

a casing containing a supply of combustible material, and

means for successively feeding portions of said material to said combustion chamber.

ロケットの重量をできる限り軽くしながら、最大限の燃料をロケットが運べるようにするにはどうしたらいいかという課題があって、連続的に燃料をチャンバに供給するというのが発明。請求項にすると、チャンバと、燃料タンクと、燃料タンクからチャンバに連続的に燃料を供給する手段とを有するロケットとなる。わかりやすい例だと思う。having, in combinationというのは正直あまり見かけないので、最近のスタイルではないのかもしれない。なんと言っても100年前の発明だ。今だとcomprisingだけで済ましてしまいそう。

初版は2007年でこの第2版が2013年。最近のアメリカ判例を考慮したそうだ。イントロはここまで。